お久しぶりです、GcraudClassicのTADAです。
世界大会まで残すところ3週間を切りました、ロボットは新規製作を進めていましたが、今のところ2台目が完成していません…やばいですね!
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さて、日本大会のマシンは、後輩の練習機として貸していたんですが、どうやら先日メインの回路の電源が死んでしまったらしいんです。
直そうかなとも思ったんですが、とりあえずセンサの扱いからモーターの制御まで一通りを体験してもらう体験してもらう事が出来たと思うので、思い切ってマシンの引退という形でバラすことにしました。 
 
他にも、せとうちオープンにこのマシンで参加した時に、世界大会用の135531型maxonをロボットに積んで参戦したんですが、そろそろ2台目に使うので、回収しないとなーと思ってました。
換えのmaxonに交換する予定が、もう組み上げる予定がなくなっちゃいました。
今までお疲れ様、よく頑張ったマシンだと思います。

ついでなので、このマシンの内部構造について、いろいろ公開していきたいと思います。
一部、回路等は見られたくない部分が多いので、基板はあんまり写してません(汚いですし…) 

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 超音波センサとコンパスのユニットです。
黒い板金曲げの部品は、A5052(アルミ)のt1.0を、メタルプライマー吹いてから黒のラッカースプレーで塗装しています。とても塗装が良く剥げます、あんまりおすすめしません。
3方向の超音波センサが4pinの2550-QIコネクタで接続されます(3芯を4pコネクタで繋ぐのは逆接続の防止)。それにコンパスの4pinを加えたものを、10pin-MILコネクタ(フラットケーブルコネクタ)でメイン基板に接続しています。

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 メイン基板です。
マイコンはArduinoMega2560を直刺しです、その他はUI用のタクトスイッチと、上のユニットへの10pフラットケーブル と、5V電源、モータードライバのPWM用のプッシュプル内蔵型フォトリフレクタ(TLP250)が載ってます(実験的に使ってみましたが、音がシャープに変わるだけでしたw)、あんまりおすすめしません。

※2016/12/29追記
メイン基板に青いターミナルが見えますが,
競技ロボット用の基板にネジ止めターミナルを使用するのは非推奨です.
本音:コネクタに比べて何のメリットも無い,ただ抜ける可能性が高くて取り外しも面倒,かつ再接続時には毎回逆接続のリスクを伴うねじロック式ターミナルを使う意味は全くと言っていいほど無い

競技ロボット用の基板は,常に強い振動に耐えるよう設計されていなければいけません.

ネジ止めターミナルは,端子を圧着するタイプの結線方法(例:丸端子やU字端子を使ったターミナル・コネクタなど)に比べ,振動に弱く緩みやすい特徴があります.そのため,強い振動のかかる競技ロボットの基板にネジ止めターミナルを用いると,動作中に導線が抜けてしまう危険性が高くなります.

特に,電源コードには十分な安全対策をしてください!
結線部分に負荷がかからないようケーブル自体を何らかの方法で固定する事を強く推奨します.
※追記ここまで
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5Vの電源回路です。
村対製作所のDC-DCコンバーターを使っています。マイコンの5V出力はそこまで強くないので使わない方が無難です。注意点としては、データシートに記載されている通り、入力側に22[μF]出力側に10[μF]のセラミックコンデンサをそれぞれ挟んでリップル除去を行わないと、スイッチング・レギュレータの特性上、非常に厄介なノイズが電源に走ることになってしまうので、注意が必要です。
マイコンはそれでも動いたりしますが、I2Cで通信して使うセンサに悪い電源を与えると、最悪通信エラーを起こします(大変でした)。

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 後ろ方向の超音波センサのユニットです。
A5052,t1.0の板金曲げです。曲げ箇所にかなり大きめの切り欠きがしてありますが、これでも充分な強度があります。 このように曲げ箇所にスリッドを入れたり、穴を羅列したりすることで、曲げるべき箇所に力を集中させることが出来ます(応力集中)。曲げ機を使える環境であれば、このような工夫は必要ないですが、万力と当て木を使って曲げる方法だと、どうしても直線に力を集中させることが難しくなるので、このような工夫が必要になります。
今までも自陣のゴールにすごい勢いで衝突してますが、まだ破断は起きていません。

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天板、基板を外しました。
キッカーユニットとバッテリーホルダーが見えます。バッテリーホルダはA5052_t1.5の板金曲げ(なんでこんなに厚くした!?)片側は重量の影響でスペーサーが付けられませんでした。 
ポケット加工が施してあります。あんまり軽くなってませんのでおすすめしません。

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 バッテリーのカバー開閉機構です。
日本大会の時にはすごく注目されました、正直そこまで面白いと思ってなかったので驚きました(二足歩行ロボットの世界だと結構当たり前な文化だったので)。
機構は簡単で、スリットが掘ってあって、そこに回転してきたカバーの内側がピッタリはまるだけです。
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 スペーサーの間に、内径3外径4のスペーサーを挟んでいます。
上下のM3のスペーサーは外径6なので、ちょうど溝ができる形になります。 この溝に、先ほどの写真のスリットがぴったりはまるようになっています。 固定は、はめ込んだ時の摩擦だけです(試合中に外れたことがあったので、摩擦固定は非常におすすめしません)。

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底面です(確か以前の記事でもちらっと)
材料はA2017(高力アルミ”ジュラルミン”)_t1.5です。
特徴としては、オムニホイールの外側にもフレームが走っていることでしょうか。 オムニが露出していると、マシンと絡んで自分のオムニが削れたり、あるいは相手を削ったり、色々と不都合なので隠すことにしました。あとはFRTがカッコ良かったので!
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 意外と重いです!
一応、肉抜きして軽量化してはあるんですが、オープンのマシンと当てた時に壊れたら困る、と思ったので、かなり強度重視のフレームです。ライトウェイトにしては強いし、オープンにしては弱いかな…位のバランスで強度設計をしました。
他、塗装はメタルプライマー&ラッカースプレー。
写真のように、とても良く剥げます。これはこれでダメージかかっててカッコイイ?かもしれないですが、自分は汚いのは好きじゃないので、今後はアルマイト塗装しかしないと思います。

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ラインセンサは、t8.0のポリアセタール樹脂(POM,ジュラコンとも呼ぶ)を使っています。
遮光性を重視して材料を選ぶといいんですが、実はPOMは遮光性は低いです。ABSか、塩ビの方が良いかもしれません。自分は、形状を工夫してラインセンサの感度を上げようと思ったので、切削加工性の良いPOMを使うことにしました。
形状は、LEDの発射した光が光センサ側に直接入らないように、仕切りを設けるようなイメージで設計しました。JAPANのフィールドで測定した感じだと、ライン外が50~80で、ラインに乗ると300~400の値が出ます(ArduinoのanalogRead(0~1023)で測定)。
※回路や素子は公開しません(汎用タイプの何処にでもあるモノなので)

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マシンの中枢部です。
キッカーユニットと昇圧回路、ラインセンサ処理用のマイコン(ATmega328p)モータードライバ(VNH2SP30)がそれぞれ並んでいます。
キッカー用の昇圧電源は、1000μFのアルミ電解コンデンサを3並列し、そこにチャージ、スイッチングにはFET(IRLB3034-MOSFET)を使用しています。FETの耐電流が195[A]ですが、これでも瞬間的に見ると未だ足りないようです。ソレノイドはインダクタンス等見ると、サージがどれ位やばいかは想像できると思います。サージ対策用のダイオードは必ず入れましょう。
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VNHドライバは縦に三連装して、電源線をスルーホールに貫通させています。
例えば2層目が壊れたとかいう事になると、もう地獄を見ることになりますので、とてもおすすめしません。VNHドライバが今まで一度もトラブル起こしたことがなかったので、このような手段を取りました。
スペースの配置が本当に苦手で、うまく行きませんでした。
今となっては、ある程度上手になってきたかなと思いますが。

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キッカーの機構
ソレノイドはタカハ機構さんのCB1037です。
いわゆる「パタパタキッカー」「ただくんのヘナチョコキッカー」と呼ばれるタイプのものです。
スペーサーを使って、出来るだけシンプルな構造で設計しましたが、案の定スペーサーのラジアル方向に負荷が掛かって、内部の雄ねじが折れるので、おすすめしません。 

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オムニホイールとマクソンモーターです。
オムニホイールはスパイクタイプを設計しました。車重がないとグリップ効かないかな…と思ったんですが、充分なグリップを見せてくれます。ただ、人間にやさしくない(手に無数のミミズ腫れをつくる)ので、もしかしたら規制されるんじゃないかと思ってます。
スパイク使うなら、このマシンのように側面をカバーして触れないようにするなど、安全対策が必要だと思います。
オムニホイールのメイン部分はA7075(超々ジュラルミン)_t4.0,カバーはA2017(ジュラルミン)_t1.5,スパイク型サイドホイールはアクリル,ハブ(真ん中の黒い軸固定パーツ)はPOM_t8.0を、それぞれ使っています。
ハブにPOMを使うのはおすすめしません(側面のイモネジがすぐに緩みます)。
重量制限と戦った結果、POMになりましたが…。

マクソンモーターは"RE-16_12[V]4.5[W]+GP16A_19:1(135531)"のアカデミック版を使っています。
学生であればmaxon School Surpport(リンク)よりアカデミック価格で購入することが出来ます。
貴金属ブラシは、効率が比較的高いですが、PWMや正転逆転の連続動作など、スパークを起こす使い方を続けていると、ブラシがどんどんダメージを受けていきます。PWMやダイナミックブレーキ、急激な正転逆転を繰り返す用途には、グラファイトブラシが適しています。効率は貴金属ブラシに比べて1割ほど落ちますが、競技ロボット用途だと効率よりパフォーマンスを重視するので、グラファイトブラシのモーターが最適解となります。 

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さて、世界大会用マシンの2台目のためのモーターを確保しました。
今手持ちのマクソンモーターは12本ほどあるんですが、半分ぐらいは間違えて貴金属ブラシを買ったので…ロボットに使えないこともないんですが、ありえないくらい寿命が早く来ます(1個目は3ヶ月で焼けた)。
G45Kのグラファイトブラシのmaxonは2~3年は持ってるみたいです。
まだ回転数の減衰もなし、十分使える状態だとか。
maxonは、定格の寿命が1000時間を超えるように設計されているそうですので、定格で正しい使い方をすれば、安いモーターを消費するよりはるかに効率よい運用ができるようになります。 

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全部バラしました。部品点数はかなり多いほうだと思います。
とにかく配線が多いです。世界大会マシンではかなりフィードバックされていますので、また大会明けに解体ショーしたいですね!

ではでは、世界大会マシンを作らないといけません、頑張りたいと思います。
CFRP切削方法のレポートも、土日中に書くと思います(レポートとプレゼンあるので遅れるかも…)